ダメージヘアの自宅ケア
傷んだ髪を治すには、美容室へ行くのが一番ですが、あまりコストをかけずに効果的に自宅で治す方法があります。
髪のダメージは複合的で個人差が大きいので、「これだけをすれば完璧!」というものがありません。ここでは、主に「自宅でできる毛髪内部の補修」について解説します。
ダメージが大きい場合や、PPTによる前・後処理の方法については、かかりつけの理・美容院にご相談ください。
■髪のダメージの種類
■外部の損傷
物理的損傷・形態的損傷ともいわれます。乱暴なブラッシングなど、外的要因での損傷が主です。
パーマでの過膨潤により髪の表面にシワが出来た状態『リンクルヘア』や、縮毛矯正・ストレートパーマ時のミスでキューティクルをはがしてしまった状態も物理的損傷に含まれます。
症状は、枝毛・切れ毛・とかしにくい・絡まる・手触りが悪い・ツヤがないなどです。
「トリートメントしてもつるっとしない」「シリコーンを使っても絡みやすい」という状態の毛髪は、親油性であるキューティクルが剥離して無くなってしまっていることが原因です。
髪が濡れた状態では特に傷みやすいので、ホームケアでは丁寧に扱うことが大切になります。
■内部の損傷
化学的損傷・質的損傷ともいわれます。内部損傷の多くは、パーマ・カラーやシャンプー・リンス・トリートメント・仕上げ剤などの薬剤によるものが主です。
症状は、パサつき・ゴワつき・枝毛・ハリやコシがないなどです。
MATRIX/マトリックス:間充物質
MEDULLA/メデュラ:毛髄質
FIBRIL/フィブリル:繊維質
CUTICLE/キューティクル:毛表皮
※画像提供:JBCアカデミー
内部損傷の多くは、マトリックスと呼ばれる間充物質が流出・変質してしまったことが主な原因です。マトリックスが失われた状態を『ポーラスヘア』といいます。
マトリックスは、右図のように繊維質と繊維質のあいだを埋めているセメントのような役割を持っていて、これが無くなってしまうと、繊維同士がバラバラになるので枝毛になりやすくなります。
同時に、髪の保湿成分のほとんどがマトリックス内にあるので、乾燥の原因にもなります。
また、パーマ・カラーなどはほとんどがマトリックス部に作用するので、「パーマがかかりにくい」「カラーが染まりにくい・色落ちが早い」といった場合も内部の損傷が原因です。
※アミノ酸・PPT・タンパク質に関する詳細は、美工房 四季彩「アミノ酸とたんとタンパク質」をご参照ください。
■症状別の原因と対策
| 症状 |
原因 |
修復方法 |
| パサつき |
毛髪内の天然保湿因子の流出 |
PPTの補充と定着 |
| パーマ・カラー・熱などによるタンパク質変性・変形 |
| ゴワつき |
毛髪内の天然保湿因子の流出 |
PPTの補充と定着 |
| パーマ・カラー・熱などによるタンパク質変性・変形 |
| 石けんシャンプー・カラーにより毛髪内に金属塩が残留 |
金属塩の除去 |
| 枝毛 |
毛髪内の間充物質(マトリックス)の流出により繊維質が割れてしまう |
PPTの補充と定着
キトフィルマーコート |
| 切れ毛 |
毛髪内の間充物質(マトリックス)の流出 |
PPTの補充と定着 |
| ブラッシング・髪留め・髪の結束など |
キトフィルマーコート |
| ツヤがない・手触りが悪い |
毛髪内の間充物質(マトリックス)の流出 |
PPTの補充と定着 |
| 毛髪表面のキズ・キューティクルの剥離 |
樹脂コーティング
キトフィルマーコート |
| 髪がきしむ・絡まる |
毛髪表面のキズ・キューティクルの剥離 |
樹脂コーティング
キトフィルマーコート |
| ハリ・コシがない |
毛髪内の間充物質(マトリックス)の流出 |
PPTの補充と定着 |
| 毛髪表面のキズ・キューティクルの剥離 |
樹脂コーティング
キトフィルマーコート |
| パーマがかからない |
毛髪内の間充物質(マトリックス)の流出 |
PPTの補充と定着 |
| カラーが染まりにくい/色落ちが早い |
毛髪内の間充物質(マトリックス)の流出 |
PPTの補充と定着 |
| リンスをしても効果がない |
キューティクルの剥離 |
樹脂コーティング
キトフィルマーコート |
■PPTによる修復
一般的にホームケアで使われるヘアケア剤では、大きな修復効果は望めません。浸透しやすいアミノ酸などは、そのままではすぐに流失してしまうからです。
しかし、理・美容室で使われる一部の特殊なトリートメントではPPTを浸透・定着させ、毛髪内部を修復することができます。
特殊なトリートメントとは、<PPT(ポリペプタイド/ポリペプチド)>と呼ばれているもので、PPTはタンパク質とアミノ酸の中間の分子量を持っています。
アミノ酸が複数結合してPPTとなり、PPTが複数結合してタンパク質となります。
アミノ酸やPPTは脱水することで縮合し、分子量が大きくなる性質がありますので、髪にPPTを浸透させ乾かすことで分子量を大きくし、髪から出にくくすることで毛髪内部に定着させることができます。
これにより、失われた間充物質を補って髪の内部を修復できます。
しかし、キューティクルが無くなってしまったような外部損傷については、修復の有効な方法がありませんので、「切る」事で対処するのがベストとなります。
切りたくない場合は、表面保護と感触良化もために樹脂系コーティング(ヘアマニキュアなど)や、キトフィルマーでコーティングするなどしてカバーしましょう。
| PPTの種類 |
特長 |
効果 |
| ケラチン系 |
ケラチンは肌・髪・爪などに多く含まれるタンパク質です。
S-S結合(シスチン結合)を多く含むのが特長です。 |
パーマ・縮毛矯正などに欠かせないシスチン結合を補給できます。 |
| コラーゲン系 |
本来コラーゲンは毛髪内に存在しませんが、コシ・ハリを与えるのに最適です。 |
ハリ・コシなど弾力を与えることができます。 |
■ホームケア手順
ご自宅で髪の内部補修をする場合は、以下の手順でされると良いでしょう。
- シャンプー前、ダメージ部に前処理用PPTを塗布し、ドライヤーで乾かす。(面倒な場合は自然乾燥でも結構です)
- あんだんて『髪を洗うシャンプー』で丁寧にシャンプーします。
- 後処理用PPTを使う場合は、ここでよく浸透させてから流します。(この場合は乾かしません)
- あんだんて『髪を潤すトリートメント』を浸透させ髪を保護します。
- 乾かす時にクシ通りが悪い時などは、シリコーン系アウトバストリートメントを使用すると良いでしょう。
油性物質が髪内部にたくさん浸透している場合、PPTの効果が半減します。シャンプー前に重曹水に5〜10分浸けてからシャンプーするか、2度洗い時の1度目のシャンプー剤に少量の重曹を混ぜると蓄積された油分をある程度除去することができます。
組み合わせるシャンプーとトリートメントは、残留物が少なく髪に負担をかけない『あんだんて』がベストです。ビノスでは多くのお客様で結果を出しています。
■ドライヤーで髪が傷む?
前処理PPTは『ドライヤーで乾かす』のが基本です。「ドライヤーは髪が傷むから使わない」という方がいますが、大きな間違いです。
髪の表面は100℃以内、内部は80℃以内(スーパーダメージの場合はそれより-20℃)であれば傷む心配はまずありません。
1200Wのドライヤーでも、10cm以上離し常に移動させながら乾かせば問題はなく、「熱い!」と感じない程度であれば大丈夫です。
ただし、油分の多いリンス・トリートメント・仕上げ剤を使っている場合は、簡単に温度が上がりますので要注意です。
逆にきちんと乾いてない場合の方が髪のダメージは大きくなります。髪が水分を吸って膨潤している状態では、ちょっとの刺激(タオルや枕と擦れるだけでも)が物理ダメージとなります。
また、雑菌(特に真菌)の繁殖率が大幅に増えるので、臭いや皮膚トラブルなどの原因にもなります。
ドライヤーの選び方は、ワット数ではなく風量で選びましょう。本体が大きいドライヤーほどファンが大きいため風量も大きくなります。
風量が大きくなれば相対的に温度も下がりますし、乾くまでのスピードも早くなります。
■おすすめPPTトリートメント
JBCアカデミー開発品(販売元:株式会社 エルコス)をご紹介します。
ビノスの営業上で、通常行っている「前処理・中間処理・後処理」用トリートメント剤16種類の中から、ご家庭でも効果の出やすい商品を5種類選びました。
| 名称 |
主な成分 |
効能・効果 |
分類 |
POWER KRT+
 |
反応性高重合型ケラチンPPT
・反応性高重合型
ケラチンPPT
・保湿効果絶大の
カチオン化ヒアルロン酸
・ジェミニ型内部浸透補修剤
ペリセア |
毛髪内部で高分子化するので、非常に高い残存性があります。 |
前
処
理 |
| パーマ・ストレート技術に欠かせないS-S結合(シスチン結合)の補給に最適です。 |
POWER PPT+
 |
反応性高重合型ケラチンPPT
・反応性高重合型
コラーゲンPPT
・ジェミニ型内部浸透補修剤
ペリセア
・シスチン結合を有さない
高分子ケラチンPPT |
毛髪内部で高分子化するので、非常に高い残存性があります。 |
前
処
理 |
| パワーKRT+と比べて、ハリ・コシ・弾力がでます。 |
POWER R2+
 |
還元・軟化停止機能
&強度回復剤
・反応性毛髪強化樹脂
リアクティブレジン
・細胞膜を補修し、感触良化する
リピジュア
・保湿効果絶大の
カチオン化ヒアルロン酸
・カチオン化ケラチンPPT |
低分子のカチオニックケラチンPPTが毛髪内部へ浸透し、内部強化します。 |
後
処
理
/
薬
剤
混
合 |
| 反応性毛髪強化樹脂が毛髪外部から内部のアミノ酸に吸着しますので、毛髪を切れにくく強化できます。 |
POWER RIVISING+
 |
毛表面・内部補修&感触良化
&代替キューティクル
・キトフィルマー
・シルクポリマー
・疎水性ケラチン
・ヘマチン |
内部補修(疎水性ケラチン、ヘマチン) |
後
処
理 /
薬
剤
混
合 |
| ツヤ、感触の良化(シルクポリマー) |
| 表面補修&枝毛予防(キトフィルマー) |
| ウエーブ形成向上、褪色防止、脱臭効果(ヘマチン) |
POWER PHC+
 |
ペーハー調整
&H2O2除去剤
・アスクヘアー(酵素カタラーゼ)
・リン酸
・ケラチン&コラーゲン
・ローズヒップ油
・ホホバ油・マカダミアナッツ油 |
パーマ・ヘアカラー等のアルカリを除去する。(pHコントロール) |
後
処
理 |
| 過酸化水素を除去する。(アスクヘアー) |
| P.P.Tの補給&オイル系配合により手触り感がUPする。 |
■成分の説明
- ●反応性高重合型ケラチンP.P.T
- 傷んだ髪や髪を傷めたくない人におすすめの熱反応性ケラチンP.P.Tを主体とした前処理的トリートメントです。
反応性重合型ケラチンP.P.Tは、加温して乾かす事により重合し、分子量が大きくなるので、大きな損傷部分でもしっかり補修でき、さらに髪の中で大きくなるので外に出にくくなります。
乾かす時に少しベタついたりゴワついたりしますが、そのまま乾かしてください。毛髪中のマトリックスの補給はもとよりシスチンを含有していますので、S-S結合の補給をします。
- ●反応性高重合型コラーゲンP.P.T
- 傷んだ髪や髪を傷めたくない人におすすめの熱反応性コラーゲンP.P.Tを主体とした前処理的トリートメントです。
反応性重合型コラーゲンP.P.Tは、加温して乾かす事により重合し、分子量が大きくなるので、大きな損傷部分でもしっかり補修でき、さらに髪の中で大きくなるので外に出にくくなります。
乾かす時に少しベタついたりゴワついたりしますが、そのまま乾かしてください。痩せてしまった大人髮やダメージで細くなってしまった毛髪にツヤ感、ハリ・コシ・弾力が出ます。
- ●リピジュア
- その保湿力はヒアルロン酸の2倍以上。
リピジュアは、ヒトの細胞膜を構成し、涙にも含まれる成分「リン脂質」をモデルに開発された、高性能な生体適合物質です。
約2.000個の分子が結合し、保水性に優れた潤いのベールを作ります。
現在、医薬品・化粧品人工臓器など幅広い分野で使用されています。
- ●カチオン化ヒアルロン酸
- 1gで6Lもの水分を抱え込む。
真皮中のコラーゲンとエラスチンの間を埋めているのがヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸が減少するとコラーゲンも変質し、肌のハリや弾力を失います。このヒアルロン酸にはとても高い保湿力があります。
カチオン化ヒアルロン酸とは、ヒアルロン酸に電気的な力を持たせたものでダメージ毛に対して吸着しやすく改良された新しい原料です。
- ●ペリセア
- すべてのダメージに効果のある皮膚・毛髪修復剤。
従来の毛髪補修原料は浸透までに時間を要する、という課題がありましたが、ペリセアは1分間程度の短時間で毛髪中心部分まで浸透し、なおかつ毛髪表面をコートする、内と外の両方のダメージを補修する原料です。
「ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム」 という原料名で記載されていて、肌の補修目的で化粧品にも利用されている、オールマイティな植物由来の新原料です。
- ●キトフィルマー
- 生体親和性が高く、体内で同化する安全な素材。
医療業界で人工皮膚、抜糸不要の手術用糸等に使用される、安全な素材です。キューティクルの補修、枝毛・切れ毛の接着同化と予防効果が期待できます。また、皮膜形成・ツヤ・ハリ、コシ・手触り感の向上等の効果があります。
- ●ヘマチン
- 多くの有用性を持つポルフィリン化合物。
ヘモグロビンを基に科学的処理された化合物です。髪の主成分である『ケラチン』が、血液の『グロビン』ととても似ているため、塗布するとケラチンと結合し、傷んだ部分を補修してくれます。また、酸素を吸収する力が非常に強いのが特長で、カラー等で残留した過酸化水素が悪影響を与えるのも食い止めてくれます。その他に紫外線吸収、ウェーブ形成向上、ハリ・コシの向上と修復、脱臭効果等々、数多くの効果を持っています。
- ●アスクヘアー(酵素カタラーゼ)
- 過酸化水素を分解する酵素。
カタラーゼは血液や膿などに含まれている酵素で、傷口に消毒液の過酸化水素を塗布すると白い泡がブクブクと出てきます。これはカタラーゼが過酸化水素を「水と酸素」に分解している証拠です。
過酸化水素が毛髪内に残留していると、褪色やダメージの元となりやすいので、この物質で分解したほうが良いのです。
■エルコスパワーシリーズ フローチャート
- パーマ・カラーなどで傷んでいる場合は「POWER KRT+」。
- パサつき修復、ハリ・コシが欲しい場合は「POWER PPT+」。
- 切れ毛・枝毛・軟毛の対策には「POWER R2+」で毛髪強化。
- かなり傷んでいて早急に対処したい場合は、「POWER KRT+」と「POWER R2+」をセットで。
- キューティクルが剥離している方は「POWER RIVISING+」や「POWER R2+」を中心に!
- パーマ・カラーなど、アルカリ薬剤使用後のpHコントロールには「POWER PHC+」。
■ホームパーマ・ホームカラー時の処置
以下の手順で施術すれば、自宅でもサロンの仕上がりに近づけることができます。
ご自宅でパーマ(ストレート含む)をするときの手順。
- 施術前にKRT+(PPT+)を塗布、良くとかしてドライヤーで乾かす。
- スーパーダメージ部にはPHC+を薄く塗布。
- 1剤にR2+を5〜10%程度混合して施術。
- 2剤にR2+またはRIVISING+を5〜10%程度混合して塗布。
- 2剤処理終了後、すすいだ後PHC+を塗布し揉み込んで5分放置後すすぎ。
- 髪を潤すトリートメントでチェンジリンス。
ご自宅でアルカリ系カラー(ブリーチ含む)をするときの手順。
- 施術前にKRT+(PPT+)を塗布、良くとかしてドライヤーで乾かす。
- スーパーダメージ部にはPHC+を薄く塗布。
- カラー剤を塗布。
- おおむね染まったらR2+またはRIVISING+を塗布し5〜10分放置。
- 髪を洗うシャンプーで洗ったら、PHC+を塗布し揉み込んで5分放置後すすぎ。
- 髪を潤すトリートメントでチェンジリンス。
今なら、エルコスパワーシリーズ(RIVISING+、PHC+を除く※)をお買い上げの方に専用スプレイヤーをプレゼント!
ボトルのキャップを外し、スプレイヤーを装着すれば、そのまま髪に噴霧することができます。
※RIVISING+、PHC+は粘度の都合上、スプレイヤーは使用できません。